しるべ
キッチンで楓と梓が二人で料理を始めた。
梓がひとつひとつレシピの工程を楓に
何度も聞く始末で…
もういっそ一緒に作った方がいいと
楓が強引に一緒にキッチンに立った。
「にんじん下ごしらえしてくれる?」
「しようと思ってました。」
宿題を促されて拗ねる小学生に如く
言葉の端々に不服を残す梓だった。
椅子から佳乃子が「仲良くね」と2人を応援した。
「あれ、トマトどこだっけ」
梓が買い物袋から食材を探すと
買い物袋の中から本がこぼれ落ちた。
梓が買い物の途中に本屋に寄っていた。
佳乃子はその本を拾い上げた。
「留学」「ワーキングホリデー」と言った字が並んでいる。
「あら。どこの国働くか決めたの?」
「え?。あぁ、今の所はオーストラリアかなぁ」
高校生の修学旅行の時に行ったオーストラリアでの
ホストファミリーとの海外生活にいたく感銘を受けていた。
その時から梓は海外で働くことを自分の目標としている。
英会話も高校生の時から習い、
社会人になった今もオーストラリアの方と
オンライン英会話を受けている。
「少し日本で勤務経験がいるんだっけ?」
「そう。まだまだ先、先立つものもキャリアもまだまだだしね。」
「英語だけは成績良かったもんな。梓。ウェッ」
楓の言葉に梓が肘打ちで答える。
「いいわね。お母さんも
梓が海外行ったら遊びに行こうかしら」
「来てよ。オーストラリアで看護師するから」
長年の夢を叶えようとする梓の笑顔が佳乃子には逞しく眩しく感じていた。
梓がひとつひとつレシピの工程を楓に
何度も聞く始末で…
もういっそ一緒に作った方がいいと
楓が強引に一緒にキッチンに立った。
「にんじん下ごしらえしてくれる?」
「しようと思ってました。」
宿題を促されて拗ねる小学生に如く
言葉の端々に不服を残す梓だった。
椅子から佳乃子が「仲良くね」と2人を応援した。
「あれ、トマトどこだっけ」
梓が買い物袋から食材を探すと
買い物袋の中から本がこぼれ落ちた。
梓が買い物の途中に本屋に寄っていた。
佳乃子はその本を拾い上げた。
「留学」「ワーキングホリデー」と言った字が並んでいる。
「あら。どこの国働くか決めたの?」
「え?。あぁ、今の所はオーストラリアかなぁ」
高校生の修学旅行の時に行ったオーストラリアでの
ホストファミリーとの海外生活にいたく感銘を受けていた。
その時から梓は海外で働くことを自分の目標としている。
英会話も高校生の時から習い、
社会人になった今もオーストラリアの方と
オンライン英会話を受けている。
「少し日本で勤務経験がいるんだっけ?」
「そう。まだまだ先、先立つものもキャリアもまだまだだしね。」
「英語だけは成績良かったもんな。梓。ウェッ」
楓の言葉に梓が肘打ちで答える。
「いいわね。お母さんも
梓が海外行ったら遊びに行こうかしら」
「来てよ。オーストラリアで看護師するから」
長年の夢を叶えようとする梓の笑顔が佳乃子には逞しく眩しく感じていた。