しるべ
「色々食べたいものが出て。
駅前の木の家の喫茶店のパンケーキ食べたいの」
「いいねー!今度行きましょう」
皿の泡を水で流し、二人は女学生のような約束をした。
「ピンポーン」
玄関の呼び鈴が鳴って佳乃子がインターホンを確認した。
「宅急便です。代引き商品です。」
「あら、少々お待ちください。」
ーー梓かしら
佳乃子が階段下から梓を呼ぶが返事がない。
階段を登ると、すずも「にゃー」と一緒についてきた。
梓の部屋の前に着くと梓が自転車で坂を登りきれなかった話を英語で談笑している声が聞こえてきた。
ノックの後にドアを開けて梓に声をかけた。
小学校から使っている学習デスクの上にパソコンを出し、20代の梓には少し小さめの椅子にちょこんと座っている。
「梓。邪魔して悪いんだけど宅急便が来てる」
「あ!時間指定してたんだった!」
梓はパソコンの画面越しに相手に断りを入れた。
財布片手にバタバタと梓が階段を降りる音を聞きながら部屋に佳乃子とすず、それにパソコン画面の英会話教師が残ったことに佳乃子は気づいた。
何とも言えない気まずさから逃げようと
ゆっくり後退りしながら静かに
ドアを閉めようとした。
だが、画面越しの英会話教師は画面越しから佳乃子に声をかけたのだった。
駅前の木の家の喫茶店のパンケーキ食べたいの」
「いいねー!今度行きましょう」
皿の泡を水で流し、二人は女学生のような約束をした。
「ピンポーン」
玄関の呼び鈴が鳴って佳乃子がインターホンを確認した。
「宅急便です。代引き商品です。」
「あら、少々お待ちください。」
ーー梓かしら
佳乃子が階段下から梓を呼ぶが返事がない。
階段を登ると、すずも「にゃー」と一緒についてきた。
梓の部屋の前に着くと梓が自転車で坂を登りきれなかった話を英語で談笑している声が聞こえてきた。
ノックの後にドアを開けて梓に声をかけた。
小学校から使っている学習デスクの上にパソコンを出し、20代の梓には少し小さめの椅子にちょこんと座っている。
「梓。邪魔して悪いんだけど宅急便が来てる」
「あ!時間指定してたんだった!」
梓はパソコンの画面越しに相手に断りを入れた。
財布片手にバタバタと梓が階段を降りる音を聞きながら部屋に佳乃子とすず、それにパソコン画面の英会話教師が残ったことに佳乃子は気づいた。
何とも言えない気まずさから逃げようと
ゆっくり後退りしながら静かに
ドアを閉めようとした。
だが、画面越しの英会話教師は画面越しから佳乃子に声をかけたのだった。