しるべ
佳乃子は浩介が乗る特急の出発時間まで
改札口の柱にもたれていた。
特急の発車音の笛を聞いて佳乃子も
前を向いて歩き出した。
ーー これからは私の為に前を向いていこう
特急電車がゆっくり加速しながら天野駅を出発する音を背中で聞きながらロータリーに出る階段を降りて行った。
佳乃子が階段を降りると「木の家」の前に
タイラーがいるのに気づいた。
タイラーは佳乃子の顔が見えると大きく手を振り
笑顔で駆け寄ってきた。
佳乃子も手を振りかえしタイラーに尋ねた。
「どうしたんですか?」
「今度HPに載せようと思っている
とても素敵な場所があるんです。
今から写真を撮りに行くんです。
佳乃子さんも行きましょう。
とってもいいとこなんです」
「え…」
タイラーは矢継ぎ早にそう言ってやや強引に「どうぞどうぞ」と車の助手席のドアを開けて佳乃子に座るよう促した。
佳乃子は驚いたが、HPのお仕事に興味があったので
笑顔のタイラーに言われるがまま助手席に座った。
車の中でもタイラーは自分の好きなアニメの話やオーストラリアでの話を聞かせてくれた。
車は山道を登り、10分ほどでニュータウンかなえの源となる大咲山の展望台駐車場に着いた。
「佳乃子さん。山は寒いから上着は来てね。」
そう言うと、タイラーは展望台へと佳乃子をエスコートした。
山の上は流石に風が強く
佳乃子は上着のボタンはしっかり留めた。
タイラーに連れられ展望台のデッキに登った。
佳乃子の顔に冷たい風がびゅうっと吹くと
そこは驚くほどにパノラマの世界だった。
展望台からすり鉢状に風景が開け遠くの海岸線もよく見えその先にある水平線が地球の丸さを教えてくれている。
訪れた誰をもの心を掴む圧巻の風景がそこにあった。
改札口の柱にもたれていた。
特急の発車音の笛を聞いて佳乃子も
前を向いて歩き出した。
ーー これからは私の為に前を向いていこう
特急電車がゆっくり加速しながら天野駅を出発する音を背中で聞きながらロータリーに出る階段を降りて行った。
佳乃子が階段を降りると「木の家」の前に
タイラーがいるのに気づいた。
タイラーは佳乃子の顔が見えると大きく手を振り
笑顔で駆け寄ってきた。
佳乃子も手を振りかえしタイラーに尋ねた。
「どうしたんですか?」
「今度HPに載せようと思っている
とても素敵な場所があるんです。
今から写真を撮りに行くんです。
佳乃子さんも行きましょう。
とってもいいとこなんです」
「え…」
タイラーは矢継ぎ早にそう言ってやや強引に「どうぞどうぞ」と車の助手席のドアを開けて佳乃子に座るよう促した。
佳乃子は驚いたが、HPのお仕事に興味があったので
笑顔のタイラーに言われるがまま助手席に座った。
車の中でもタイラーは自分の好きなアニメの話やオーストラリアでの話を聞かせてくれた。
車は山道を登り、10分ほどでニュータウンかなえの源となる大咲山の展望台駐車場に着いた。
「佳乃子さん。山は寒いから上着は来てね。」
そう言うと、タイラーは展望台へと佳乃子をエスコートした。
山の上は流石に風が強く
佳乃子は上着のボタンはしっかり留めた。
タイラーに連れられ展望台のデッキに登った。
佳乃子の顔に冷たい風がびゅうっと吹くと
そこは驚くほどにパノラマの世界だった。
展望台からすり鉢状に風景が開け遠くの海岸線もよく見えその先にある水平線が地球の丸さを教えてくれている。
訪れた誰をもの心を掴む圧巻の風景がそこにあった。