しるべ
柊斗の位置情報は、
県外を示していた。
酷い驚きと共にため息なのかわからない
とてつもなく大きな息を吐き出した。
取り敢えず居場所はわかった。
しかし安堵とは違う脱力感を感じた。
ーー母子揃って似たようなことを。
位置情報の履歴を線で辿ると、
14時には最寄りの駅で
在来線を辿りそこから新幹線の乗り換え
何県もの都道府県を通過している。
ーーどこに行こうとしているんだ?
そういえばここ最近、
柊斗がこそこそとタブレットで何かしていたな。
そう思い出して、次第柊斗の部屋中を探した。
タブレットはベットの掛け布団を
捲るとすぐ見つかった。
浩介が決めたパスコードを打つと、
一番最後に見ていたと思われる画面が映し出された。
マップアプリで自宅から
ある駅までのルートを検索している。
そこには14:00出発19:30に到着と告示されていた。
ーー何故ここに?何をしようとしているんだ?
浩介は再び驚き、柊斗の意思が判らず頭を抱えた。
ぐるぐると7年前の夏海の襲撃光景が思い出される。
柊斗には柊斗の母親と結婚する前に結婚していた人、成人の兄と姉がいることは話していた。
だがどこに住んでいるかなどは話していない。
なのにマップアプリの目的地は
「天野駅」になっている。
浩介は混乱しながらスマホを手に取り電話を掛けた。
この10年一度もかけたことのない
何度も声が聞きたいと思ったその人の電話番号へ
静寂の中何コール目かに
懐かしい人の声が聞こえた。
「はい。もしもし?…浩介?」
安堵を覚えたせいか
相手の言葉を畳み掛けるように言葉が出た。
「柊斗が!柊斗が!1人で
1人でそっちに向かっているかもしれない!」
県外を示していた。
酷い驚きと共にため息なのかわからない
とてつもなく大きな息を吐き出した。
取り敢えず居場所はわかった。
しかし安堵とは違う脱力感を感じた。
ーー母子揃って似たようなことを。
位置情報の履歴を線で辿ると、
14時には最寄りの駅で
在来線を辿りそこから新幹線の乗り換え
何県もの都道府県を通過している。
ーーどこに行こうとしているんだ?
そういえばここ最近、
柊斗がこそこそとタブレットで何かしていたな。
そう思い出して、次第柊斗の部屋中を探した。
タブレットはベットの掛け布団を
捲るとすぐ見つかった。
浩介が決めたパスコードを打つと、
一番最後に見ていたと思われる画面が映し出された。
マップアプリで自宅から
ある駅までのルートを検索している。
そこには14:00出発19:30に到着と告示されていた。
ーー何故ここに?何をしようとしているんだ?
浩介は再び驚き、柊斗の意思が判らず頭を抱えた。
ぐるぐると7年前の夏海の襲撃光景が思い出される。
柊斗には柊斗の母親と結婚する前に結婚していた人、成人の兄と姉がいることは話していた。
だがどこに住んでいるかなどは話していない。
なのにマップアプリの目的地は
「天野駅」になっている。
浩介は混乱しながらスマホを手に取り電話を掛けた。
この10年一度もかけたことのない
何度も声が聞きたいと思ったその人の電話番号へ
静寂の中何コール目かに
懐かしい人の声が聞こえた。
「はい。もしもし?…浩介?」
安堵を覚えたせいか
相手の言葉を畳み掛けるように言葉が出た。
「柊斗が!柊斗が!1人で
1人でそっちに向かっているかもしれない!」