星に願いを...
プロローグ
まだこの前夏が過ぎたとは思えない程の寒さだった…


とある一家に悲劇が訪れた…
それは極々普通の家族だった。




「パパ~♪みうのたんじょーびはおにんぎょうかってね★☆」





この少女は、木村 美羽。
当時6歳。
この、幸せいっぱいの少女に悲劇が訪れるとは、誰も予測していなかった…

 
“ガチャガチャっ”

ある日の夜、母親が家の鍵を開けると、美羽とその兄の修太は一目散にリビングへと向かった。

「パパっ!!早く~♪」
「美羽っ!!そんなに急がせちゃダメだよっ!!」
「はぁい・・・」

「待ってろ~!!今行くからな~!!」

美羽と修太が父親を急かしている理由はと言うと・・・



「「はいは~い♪ケーキ持ってきたよ~♪」」



父がケーキの箱を持ってくると、2人は大喜び・・・
そう。今日は美羽の6歳の誕生日。
部屋の明かりが消えて、誰もが知っている歌が聞こえる・・・



“はっぴばーすでーみーう・・・”



少女はケーキの上の6本のろうそくを消すと、笑顔でこう言った。




「ぱぱ、まま、らいねんもみうのたんじょーびにけーきかってね。。。」




・・・この約束が、二度と叶うことはなかった。。。
あの日の夜に起こった事故で・・・







そう。二度と・・・

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