少し愛重めな橘くんは溺愛症候群
先輩とお試し恋愛
翌日・朝・校門前
女を振り払いながら門を通る時、いつも生活委員か美化委員が挨拶をしている。
もちろん、それに返事をすることはなく、うざったらしい女を振り払いながら教室へ向かう。
いつもは全く気にしない門の前を通る時、聞き覚えのある声がした。
日和「おはようございます!」
元気な日和先輩。
朝から会えるなんて思ってもいなくて、つい口元を抑えた。
(やば、朝から日和先輩可愛すぎて目が焼ける)
一目惚れでしか無いから、日和先輩がどんな人なのかは全く知らない。
けど昨日のことだけで分かったのは、日和先輩が善意だけで俺に関わったことだ。
それだけで他の女とは違う。
日和「おはようございます」
……色んな男子生徒に笑顔で挨拶をしているのがイライラした。
日和先輩の笑顔を見れるのは俺だけでいい。
日和先輩と付き合っている訳では無い俺が言えることでは無いけど、日和先輩を好きになる人がこれからも出てこないで欲しい。
「ねぇ〜蓮くんってば!!」
「……」
女の声も全く聞かず、つい日和先輩を見つめすぎていたからか。
日和先輩が俺の方を振り向いて、不思議そうな顔をしていた。
(やばい、見てたのバレたか?)
それに驚き、つい目を見開く。
(気づかれたんだったら……。)
蓮「日和先輩、おはようございます」
日和「蓮くんおはよう!!さっき目が合ったのって蓮くんだったんだね!!よかったぁ」
朝から無邪気な日和先輩を近くで見ると、横髪が少し跳ねているのに気がついた。
蓮「ふ、日和先輩可愛いです」
日和「え!?か、可愛いなんてことないよ!!」
蓮「寝癖」
日和「え?」
蓮「ここ」
俺は無意識のうちに、日和先輩の髪の毛に触れていた。
女の子達「きゃあああああ!!」
日和先輩も驚いた顔で俺を見ていて、次第には真っ赤になってしまった。
赤くなったのは寝癖が見つかったからか。
何故か日和先輩は慌てだしてしまった。
日和「あ、えっ!!ありがとう……」
焦る日和先輩が可愛くて、俺はつい無意識のうちに日和先輩に向けて微笑んでいた。
さすがにそれはアウト。
(寝癖なんて可愛すぎるって。)
女の子達「きゃああああ!!」
周りの女がまた悲鳴をあげていて耳がキン、と鳴る。
日和先輩も苦笑いで耳を押えているし、日和先輩を困らすな。
蓮「そういえば日和先輩って美化委員なんですか?」
日和「ううん、生活委員だよ!!美化委員も迷ったんだけど推薦で決まっちゃって……あはは」
推薦で決まるとか日和先輩らしい。
俺は楽そうな美化委員にしたから、もしかしたら一緒に挨拶できるかもという淡い期待を寄せてしまう。
(日和先輩の傍に男なんて寄せ付けたくないし、毎日でも挨拶したい)
日和「じゃあ蓮くん、まだ挨拶があるからまたね!!」
日和先輩の満面の笑みを見てしまったら、ここに留まるのはダメだと思った。
本当はここにずっと居たいし、日和先輩の教室で、隣で、1番近くで授業を受けたい。
でもあくまで先輩後輩の関係だから、これ以上にはなれないし、同じクラスなんて一生なれない。
俺が日和先輩と同じ時に生まれていたら良かったのにな。
蓮「分かりました。また」
日和「じゃあね!!」
(朝から日和先輩と話せてよかった……けど)
男A「おはよう日和」
日和「おはようー!」
男B「はよ」
日和「うん、おはよう」
俺が去っていった瞬間、日和先輩は挨拶を始めてしまい、同級生と思われる男とも挨拶をし始めた。
それに胸がどんどん痛くなっていって、日和先輩を独り占めしたいと思ってしまった。
俺は日和先輩への束縛があるのかもしれない。
付き合ってないし、ただの後輩のくせに日和先輩が男といたらイライラして殴りたくなる。
蓮「どけ」
近くの女をすぐに退かせて自分の椅子にドスッと座った。
早く、帰りたい。
放課後になっても、絶対日和先輩と帰れないし、ピアノ弾くくらいしかねぇ。
授業を一応聞いて昼休み。
女が寄っていたけどすぐに退かして教室を出た。
もうちょっとで冬だから屋上は少し肌寒い。
多分女は寒いところを好まないから来ないはず、と信じて、俺は屋上で寝ようとした。
もちろん他のやつが持っている弁当や、おにぎりやらサンドイッチやらは全く持っていない。
授業中なんて寝てるだけだし俺には必要ない。
昼休み・屋上
屋上の扉を開けると少し冷たい風が入り込んでくる。
この中で寝るのは無理かも、と思って扉の裏側にある小さい小屋のようなところに入ろうと思う。
よく屋上で寝ているからそこらはちゃんと掃除はしている。
というか勝手にレジャーシートや毛布を常備してるから、結構快適。
布団にくるまっていると、いつの間にか眠気が来ていた時。
日和「……誰もいない!!やったぁ」
すぐに日和先輩の声で目が覚めてしまう。
一言しか聞こえなかったのにすぐに分かってしまうのは、多分重症だろう。
日和先輩と話せる貴重なチャンスだ、寝てる場合じゃない。
蓮「日和先輩?」
俺は偶然を装って小屋から出た。
結構小屋は大きいしすごく出やすい。
日和「えぇっ!?蓮くん居たの!?こんなに寒いところで……」
蓮「日和先輩もじゃないですか」
日和先輩の手元には少し大きめな弁当があって、意外と食べるんだな、と感心してしまった。
蓮「日和先輩、ここ寒いのでこっち来てください」
流石にこんな風が直接当たる寒いところにいたら、日和先輩が風邪をひいてしまう。
俺のせいで風邪をひくとか絶対無理だ。
日和「どこ行くの?」
蓮「ここです。毛布あるので使ってください」
日和「も、毛布……!?」
学校の屋上に、まさかこんな少し大きい小屋の中に毛布とかが常備されているなんて思わないだろうな。
日和先輩も驚きながらも毛布にくるまった。
毛布で身をくるむ日和先輩は、元から華奢で小さいのにもっと小さく見えた。
のんきにこんなことを考えていたら、日和先輩が俺に向かって笑った。
日和「あはは!こんなところに布団だなんて変なの!!……蓮くんの匂いがする」
すーっと匂いを嗅ぎ始めた日和先輩に少し恥ずかしくなった。
俺の匂いなんて普通だろ。
蓮「日和先輩、好きな男とか居ますか」
突然こんなことを口走ってしまって、俺もやばいと思った。
いきなりなんだってなるよな。
日和「ううん。付き合ったことも、好きな人もいない。私ね、恋をしたことないからそんな気持ち知らないんだ。だから誰かにその気持ちを教えてもらいたいって思っちゃう」
日和先輩が足元を見て真剣な表情をしていたから、俺はその横顔に見惚れてしまう。
日和先輩が恋をしていない、したことが無いって知って安心したのと同時に、不安になってきた。
(これからすぐに日和先輩に好きな人が出来たら……。)
誰かに恋愛を教えてもらいたいって言ってるけど……俺でいいならなりたい。
蓮「日和先輩、俺と付き合ってください」
日和「いいよ……ってえ!?」
蓮「俺が恋を教えます。なので……俺とお試し恋愛しませんか?」
日和「え、ええっ!?」
日和先輩に軽く俺は告白してしまった。
女を振り払いながら門を通る時、いつも生活委員か美化委員が挨拶をしている。
もちろん、それに返事をすることはなく、うざったらしい女を振り払いながら教室へ向かう。
いつもは全く気にしない門の前を通る時、聞き覚えのある声がした。
日和「おはようございます!」
元気な日和先輩。
朝から会えるなんて思ってもいなくて、つい口元を抑えた。
(やば、朝から日和先輩可愛すぎて目が焼ける)
一目惚れでしか無いから、日和先輩がどんな人なのかは全く知らない。
けど昨日のことだけで分かったのは、日和先輩が善意だけで俺に関わったことだ。
それだけで他の女とは違う。
日和「おはようございます」
……色んな男子生徒に笑顔で挨拶をしているのがイライラした。
日和先輩の笑顔を見れるのは俺だけでいい。
日和先輩と付き合っている訳では無い俺が言えることでは無いけど、日和先輩を好きになる人がこれからも出てこないで欲しい。
「ねぇ〜蓮くんってば!!」
「……」
女の声も全く聞かず、つい日和先輩を見つめすぎていたからか。
日和先輩が俺の方を振り向いて、不思議そうな顔をしていた。
(やばい、見てたのバレたか?)
それに驚き、つい目を見開く。
(気づかれたんだったら……。)
蓮「日和先輩、おはようございます」
日和「蓮くんおはよう!!さっき目が合ったのって蓮くんだったんだね!!よかったぁ」
朝から無邪気な日和先輩を近くで見ると、横髪が少し跳ねているのに気がついた。
蓮「ふ、日和先輩可愛いです」
日和「え!?か、可愛いなんてことないよ!!」
蓮「寝癖」
日和「え?」
蓮「ここ」
俺は無意識のうちに、日和先輩の髪の毛に触れていた。
女の子達「きゃあああああ!!」
日和先輩も驚いた顔で俺を見ていて、次第には真っ赤になってしまった。
赤くなったのは寝癖が見つかったからか。
何故か日和先輩は慌てだしてしまった。
日和「あ、えっ!!ありがとう……」
焦る日和先輩が可愛くて、俺はつい無意識のうちに日和先輩に向けて微笑んでいた。
さすがにそれはアウト。
(寝癖なんて可愛すぎるって。)
女の子達「きゃああああ!!」
周りの女がまた悲鳴をあげていて耳がキン、と鳴る。
日和先輩も苦笑いで耳を押えているし、日和先輩を困らすな。
蓮「そういえば日和先輩って美化委員なんですか?」
日和「ううん、生活委員だよ!!美化委員も迷ったんだけど推薦で決まっちゃって……あはは」
推薦で決まるとか日和先輩らしい。
俺は楽そうな美化委員にしたから、もしかしたら一緒に挨拶できるかもという淡い期待を寄せてしまう。
(日和先輩の傍に男なんて寄せ付けたくないし、毎日でも挨拶したい)
日和「じゃあ蓮くん、まだ挨拶があるからまたね!!」
日和先輩の満面の笑みを見てしまったら、ここに留まるのはダメだと思った。
本当はここにずっと居たいし、日和先輩の教室で、隣で、1番近くで授業を受けたい。
でもあくまで先輩後輩の関係だから、これ以上にはなれないし、同じクラスなんて一生なれない。
俺が日和先輩と同じ時に生まれていたら良かったのにな。
蓮「分かりました。また」
日和「じゃあね!!」
(朝から日和先輩と話せてよかった……けど)
男A「おはよう日和」
日和「おはようー!」
男B「はよ」
日和「うん、おはよう」
俺が去っていった瞬間、日和先輩は挨拶を始めてしまい、同級生と思われる男とも挨拶をし始めた。
それに胸がどんどん痛くなっていって、日和先輩を独り占めしたいと思ってしまった。
俺は日和先輩への束縛があるのかもしれない。
付き合ってないし、ただの後輩のくせに日和先輩が男といたらイライラして殴りたくなる。
蓮「どけ」
近くの女をすぐに退かせて自分の椅子にドスッと座った。
早く、帰りたい。
放課後になっても、絶対日和先輩と帰れないし、ピアノ弾くくらいしかねぇ。
授業を一応聞いて昼休み。
女が寄っていたけどすぐに退かして教室を出た。
もうちょっとで冬だから屋上は少し肌寒い。
多分女は寒いところを好まないから来ないはず、と信じて、俺は屋上で寝ようとした。
もちろん他のやつが持っている弁当や、おにぎりやらサンドイッチやらは全く持っていない。
授業中なんて寝てるだけだし俺には必要ない。
昼休み・屋上
屋上の扉を開けると少し冷たい風が入り込んでくる。
この中で寝るのは無理かも、と思って扉の裏側にある小さい小屋のようなところに入ろうと思う。
よく屋上で寝ているからそこらはちゃんと掃除はしている。
というか勝手にレジャーシートや毛布を常備してるから、結構快適。
布団にくるまっていると、いつの間にか眠気が来ていた時。
日和「……誰もいない!!やったぁ」
すぐに日和先輩の声で目が覚めてしまう。
一言しか聞こえなかったのにすぐに分かってしまうのは、多分重症だろう。
日和先輩と話せる貴重なチャンスだ、寝てる場合じゃない。
蓮「日和先輩?」
俺は偶然を装って小屋から出た。
結構小屋は大きいしすごく出やすい。
日和「えぇっ!?蓮くん居たの!?こんなに寒いところで……」
蓮「日和先輩もじゃないですか」
日和先輩の手元には少し大きめな弁当があって、意外と食べるんだな、と感心してしまった。
蓮「日和先輩、ここ寒いのでこっち来てください」
流石にこんな風が直接当たる寒いところにいたら、日和先輩が風邪をひいてしまう。
俺のせいで風邪をひくとか絶対無理だ。
日和「どこ行くの?」
蓮「ここです。毛布あるので使ってください」
日和「も、毛布……!?」
学校の屋上に、まさかこんな少し大きい小屋の中に毛布とかが常備されているなんて思わないだろうな。
日和先輩も驚きながらも毛布にくるまった。
毛布で身をくるむ日和先輩は、元から華奢で小さいのにもっと小さく見えた。
のんきにこんなことを考えていたら、日和先輩が俺に向かって笑った。
日和「あはは!こんなところに布団だなんて変なの!!……蓮くんの匂いがする」
すーっと匂いを嗅ぎ始めた日和先輩に少し恥ずかしくなった。
俺の匂いなんて普通だろ。
蓮「日和先輩、好きな男とか居ますか」
突然こんなことを口走ってしまって、俺もやばいと思った。
いきなりなんだってなるよな。
日和「ううん。付き合ったことも、好きな人もいない。私ね、恋をしたことないからそんな気持ち知らないんだ。だから誰かにその気持ちを教えてもらいたいって思っちゃう」
日和先輩が足元を見て真剣な表情をしていたから、俺はその横顔に見惚れてしまう。
日和先輩が恋をしていない、したことが無いって知って安心したのと同時に、不安になってきた。
(これからすぐに日和先輩に好きな人が出来たら……。)
誰かに恋愛を教えてもらいたいって言ってるけど……俺でいいならなりたい。
蓮「日和先輩、俺と付き合ってください」
日和「いいよ……ってえ!?」
蓮「俺が恋を教えます。なので……俺とお試し恋愛しませんか?」
日和「え、ええっ!?」
日和先輩に軽く俺は告白してしまった。