寄り道で異世界来ちゃったけど、騎士様に愛されてますか?
ガサゴソと背後で音がする。レオ様が帰ってきたようだ。
「お待たせいたしました。 “良き魔女” セレスティア殿です!」
レオ様の声に振り向いた莉里子は、目を見張った。
輝く金髪、体の線がはっきりとわかる白いドレスを身につけた美女が立っている。
「この方が良き魔女?」
目の前の美女のほうが、余程聖女っぽい気がする。
「聖女様、私は魔女ですのよ。自由自在に姿を変えることが出来ますもの」
ウフッとキュートに笑う魔女の言葉に、
「セレスティア、やはりこの方が聖女様ということで間違いないのですね!」
レオ様が歓喜の声を上げる。
「ええ。間違いなくってよ。見たこともない服を着ている乙女。託宣でいただいたイメージ通りの姿だわ」
良き魔女セレスティアが、ぐっと身を乗り出して莉里子に囁いた。
「確認するまでもなさげだけど、聖女様は男性経験ないわよね? 軽くお付き合いした程度の人なら、もしかしたらいるかもだけど」
どうしてそれを! 何故私が非モテだとわかったの。