寄り道で異世界来ちゃったけど、騎士様に愛されてますか?
赤くなって顔を背けたレオ様にお構いなく、セレスティアは笑って続ける。
「なんかまずいこと言った? もしかして私の指摘が当たってた?……わかった! 堅物騎士様は、聖女様がお気に召したのね」
目が点、とはこのこと。
「セレスティア殿、もういいから帰ってください。また明日」
レオ様は、シッシッと手で払う仕草をしてセレスティアに言った。
「.あっ、待って、セレスティア様! 私なんかと王子様が結婚することで、本当に呪いは解けるの?」
莉里子は、そういう言い方をしたが、内心「お爺さんと結婚しなきゃいけないなんて勘弁してくれよ」と必死だった。
「あー! 肝心なことを伝えるのを忘れていたわ」
部屋から出ようとしていたセレスティアは立ち止まる。
「これは白い結婚です。でも、心は愛し合わなきゃいけないの。“真の愛” が芽生えた時に、呪いは解けるのです」
今までの軽いノリとがらりと変わって、彼女は厳かな口調で言った。
「白い結婚? なのに愛し合う?」
莉里子、王子、そしてレオ様の声が見事にハモった。
「ムズ」
王子が呟いたのを聞いて、莉里子は大きく頷いて同意の意を表す。