ショウキサマ
☆☆☆
美奈子さんの動画より
「わかった! わかったの!」
ガサガサと物音がして動画の録画が開始される。
「あ、今日は2024年5月9日。昨日のお昼からずっとお姉ちゃんのスマホを開こうとしてて、今は午後1時。結構時間かかっちゃったな」
女性が椅子に座り、カメラがそちらへ向いた。
色白で華奢な女の子が映り込むが、視線はスマホカメラを向いていない。
「ロック画面を開くと、ほら! 待受は家族写真だったのよ! この写真は去年家族4人で伊豆へ旅行に行ったときの写真……」
グスッと鼻をすすり上げる音がまざり、女性が指先で目元をぬった。
「会社用のグループラインも確認したけれど、とくに問題はなかったみたい。仕事は楽しいんだって、お姉ちゃんずっと言ってたから、自殺の原因は別にあるんだと思う。お姉ちゃんの、仕事以外の交友関係を調べてみなきゃ」
「美奈子ちゃん、そろそろ学校へ行く時間よ」
「お母さん、わかってるって!」
慌ただしくスマホの録画が切られた。
美奈子さんの動画より
「わかった! わかったの!」
ガサガサと物音がして動画の録画が開始される。
「あ、今日は2024年5月9日。昨日のお昼からずっとお姉ちゃんのスマホを開こうとしてて、今は午後1時。結構時間かかっちゃったな」
女性が椅子に座り、カメラがそちらへ向いた。
色白で華奢な女の子が映り込むが、視線はスマホカメラを向いていない。
「ロック画面を開くと、ほら! 待受は家族写真だったのよ! この写真は去年家族4人で伊豆へ旅行に行ったときの写真……」
グスッと鼻をすすり上げる音がまざり、女性が指先で目元をぬった。
「会社用のグループラインも確認したけれど、とくに問題はなかったみたい。仕事は楽しいんだって、お姉ちゃんずっと言ってたから、自殺の原因は別にあるんだと思う。お姉ちゃんの、仕事以外の交友関係を調べてみなきゃ」
「美奈子ちゃん、そろそろ学校へ行く時間よ」
「お母さん、わかってるって!」
慌ただしくスマホの録画が切られた。