ショウキサマ
「そ、それじゃ、自己紹介をしたらどうかな?」
恵みの言葉に吊り目の女子生徒が驚いた顔になり、動きを止めた。
そのすきに美奈子はスマホを奪い返す。
男子生徒の呆れたため息が入り込んだ。
「わ、わたしは吉村恵。この子は川口玲子」
「勝手に私の名前言わないでよ!」
「ご、ごめん。でも……」
「私は中の美奈子。さっきそこの人が誰かがいなくなったって言ってたのが聞こえてきたから、気になったの」
スマホ画面が男子生徒へ向かう。
「あのひとは平田匠くん。ね、自己紹介したら、相手のこと怖くないでしょう?」
「別に怖がってたわけじゃねぇよ! 部外者が入って来んなつーんだよ!」
「この大学で誰かが行方不明になってるの?」
「ううん、大学の子じゃなくて――」
恵が言いかけたとき、誰かのスマホで動画が流れ始めた。
『うおぉ! 雰囲気あるっすね! これからあの先へ行ってみたいと思います!』
匠が慌てて自分のスマホを確認している。
恵みの言葉に吊り目の女子生徒が驚いた顔になり、動きを止めた。
そのすきに美奈子はスマホを奪い返す。
男子生徒の呆れたため息が入り込んだ。
「わ、わたしは吉村恵。この子は川口玲子」
「勝手に私の名前言わないでよ!」
「ご、ごめん。でも……」
「私は中の美奈子。さっきそこの人が誰かがいなくなったって言ってたのが聞こえてきたから、気になったの」
スマホ画面が男子生徒へ向かう。
「あのひとは平田匠くん。ね、自己紹介したら、相手のこと怖くないでしょう?」
「別に怖がってたわけじゃねぇよ! 部外者が入って来んなつーんだよ!」
「この大学で誰かが行方不明になってるの?」
「ううん、大学の子じゃなくて――」
恵が言いかけたとき、誰かのスマホで動画が流れ始めた。
『うおぉ! 雰囲気あるっすね! これからあの先へ行ってみたいと思います!』
匠が慌てて自分のスマホを確認している。