おりの中、狂った愛を、むさぼり合う

咲人さんとキスの経験はあっても、それ以上はない。もちろん「いつかは咲人さんと」なんて夢みていたけど……何の手違いか、飛鷹さんと事に及んでしまった。

言い方に語弊があるかもしれない。
けど私にとっては、一大事なわけで……!


「あ、体だいじょーぶ?」

「ふへ⁉か、体ですか⁉」


バッと、胸の前で両腕をクロス。思わず構えた私を見て、飛鷹さんは「あ~」と含み笑いを浮かべる。


「心配せんでも、アンタが寝た後は何もしなかったぜ。っていうか、ちょーっとチチ触っただけじゃん」

「ち、チチって言わないで下さい!ヘンタイ!」

「そのヘンタイの手であっけなく達しちゃったのは、どこの誰だったかなぁ~?」

(うわあぁ、私だ……!)


語るに落ちる。

非があるのは私だから、何も言い返せない。咲人さんっていう心に決めた人がいるのに、他の人に触られるなんて……ばか、私のバカ!

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