おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
「動きエグ。さすが裏で名を轟かせてるだけあんな。ま、それだけじゃなく?女泣かせにも定評があるみてーだけど」
「……あれくらいで己惚れるな」
「は?」
俺から手を離し、距離を取る。
敵意はないものの、アイツの全身から禍々しいオーラが出ている。怒気を含んだソレは、触れた瞬間、思わず顔を歪めるほど鋭く尖っている。
これは、殺気だ。
「首にマーキングしたくらいで、なにミミをさらった気でいる。もっと本気で来い。でないと、いつまで経っても俺から奪えないぞ」
「……ははーん。キスマつけたコト怒ってんだ?」
「……」
ピクッと、ヤツが反応したのが分かった。背中を踏む足に力を入れ、俺の腕が突っ張る。えぇ~殺気を煽ったのはまずかった?
なんて考えても後の祭り。
これ以上はヤべェって思う前に。
両腕の関節を無理やり外された。