おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
今だけ、腕の中
次の日。
朝起きると、咲人さんが珍しくリビングにいた。
「お……、はよう、ございます」
「……」
「……っ」
気まずい。そりゃそうだ。昨日、あんな事があったわけだし。
『無事に手懐けているようで安心した』
『これは餞別だよ』
『ココを出て行っても、生きていけるね』
(う……思い出すと、また悲しくなっちゃった)
一枚限りの私服・白いワンピースを着ている現在。どうにも落ち着かなくて、スカートをいじいじ弄っちゃう。
昨日。
咲人さんはシャワーに行ったきり戻らなかった。どうやら家を出て行ったらしく、私が眠る時になっても戻らなかった。
あの感じは仕事じゃない。
きっと……女の人の所。
(って私がどうこう言える立場も権利も、ないんだけどね)
でも、だからと言って……。
「……」
「……」
コレは、非常に気まずい。