おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
制服の少女と、社会人の俺。そんな二人が大通りを闊歩すれば、警察からの職質は避けられない。っていうか、そもそも夜の行為だって禁止だ。法律に反する。
(だとしたら俺は、今……ただ単に〝お荷物〟を引き取っただけか?)
乱れた頭は、ろくな考えを生まない。なぜ少女を家で保護しようと思ったのか――深いため息をつき、打開策はないか考える。
その結果、(俺の家に行けるからか)見るからにテンションの上がった少女に、ダメ元で「俺の素性」を明かしてみた。さすがに俺が裏社会の住人とあらば、走って逃げるだろうと思って。
だが、少女はしつこかった。
「お邪魔します。今日からお世話になります……!」
(まさか〝ずっと〟居座る気か?)
俺が裏にいようが表にいようが、少女には関係ないらしい。臆するどころか、住み着く気満々だ。
(例え一夜の保護でも面倒になってきた。今すぐ放り出したいけど、放り出したら絶対に紫吹に掴まるし……あ)
最後の念押し。
急きょ思いついた「二つの約束」を取り付ける。