おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
(どうやったらミミは出て行くのか。
もう時間がないっていうのに……)
ミミを遠ざける方法を考えていた時。
やっと紫吹を消す算段がついた時。
久々に、夜道で飛鷹と再会した時。
それらは偶然にも「同じ日」に訪れた。
ミミと同居を始めて、一か月後のことだ。
「大鳳さーん、ちぃーっす」
「飛鷹、戻ったのか」
南下して勢力を拡大する〝ビトラ組の責任者〟として、飛鷹は長い間、本部にいなかった。その証拠に、前よりも肌の色が深みを増している。
飛鷹周――俺と同じように、孤児のくせ手に負えないから世間から爪弾きにされていた所、俺が目をつけ勧誘した、ビトラ組の一員だ。
まだあどけない飛鷹に「一緒に来るか?」と聞いた時、不機嫌そうに頷いた奴の顔は、記憶に新しい。それなのに今では、複数の地方を任される責任者になってるんだから、成長とは恐ろしいものだ。