おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
「……俺に惚れさせて、その後は?」
「俺が死んだ後、あの子が飛鷹を振るも自由・そのまま付き合うのも自由」
「俺に人権ねぇじゃん、ひっでぇ。それに俺だって裏の人間だ。明日に死ぬかもしれねーぜ?」
神妙な面持ちで何を言うかと思えば。
有り得ない未来に、吹き出しそうになる。
「お前ってしぶといから、簡単には死なないだろ。だから頼んでるんだ」
「俺からしたら、大鳳さんも充分しぶてーよ。
だから……死ぬなんて嘘だろ?」
「……」
「…………うざ」
そんな命令、断っちまえよ――と。
僅かに掠れた飛鷹の声が聞こえた。
「……」
なんて返したらいいか分からない。
だから。
とりあえず「辛気臭いな」と言った。
「湿っぽいのは、昔を思い出して嫌いなんだ。俺は笑っていてほしいんだ。お前にも、あの子にもな」
「まっさか〝女を悲しませないよう〟大鳳さんがここまでするなんてな。随分な可愛がりようだ」
「可愛がっていない。割と冷たい態度とってる」
すると「ハハ!」と高笑いをする飛鷹。
極めつけは「大鳳さん知らねーの?」だ。