おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
「冷たいのは、アンタのデフォじゃん。むしろ気に入ってる奴にこそ、大鳳さんって冷たいんだぜ?」
「……そうなのか?」
「だから俺にも冷たいじゃん?」
「それはお前の浮ついたキャラのせいだろ」
「冷ってぇなぁ」と。飛鷹の顔にいつもの笑顔が戻る。知らない間に俺の隣で腰を下ろしたアイツの頭に、ゆっくり手を置いた。
「すまないが、頼まれてくれ。
こんなこと、お前にしか言えないんだ」
「ここぞと言う時に優しいんだもんな……ほんと、ずりぃ」
「……それも当たり前だろ」
「ハハ!」
飛鷹は「じゃあちょっと寄り道してから行くわ」と、タバコを咥えたまま姿を消す。
だけど飛鷹なりに思うところがあったのか。まるで自分の気持ちに一区切りつけるように、どこぞで暴れたらしい。
ウチに来た飛鷹は、体の随所に血がついていた。遠くでは、救急車とパトカーのサイレン音が轟いている。十中八九、コイツが暴れたせいに違いない。
「……お前は」
「んな目で見んな。ムシャクシャしてたんだっつーの」