おりの中、狂った愛を、むさぼり合う


「なぁミミちゃん。アンタ自分の口から、大鳳さんに〝好き〟って吐かせたいよな?」

「それは、もちろんですが……」


っていうか、いま喋っていいんですか?――聞こうとした瞬間。私の体はふわりと浮き、飛鷹さんに担がれる。


「なら自分で直接、聞いてこーい!」

「へ、え、えぇ⁉」


ブンッと投げられ、隠れ場所から飛び出る私。もちろん優雅な着地が出来るわけなく、生まれたての小鹿のように足がぐにゃりと曲がった。


「い、たた……」

「っ!?、なんで、ここに!」

「へぇ。あの女、右腕を追いかけてきたのか。やるな、色男」


紫吹はニタリと笑みを零しつつ、懐からソレを取り出し、私に狙いを定める。

だけど紫吹が引き金を引く前に、天をつく音が響く。私の後ろから出て来た飛鷹さんが、紫吹の手にソレを命中させていた。


「やった―。当たったぜー」

「飛鷹、お前……っ」


ギリッと奥歯を噛み締める咲人さんを無視し「シェアルーム仲間、集結じゃねーか」と。私をおんぶしていた時とは打って変わって、飛鷹さんの元気な声。

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