おりの中、狂った愛を、むさぼり合う

*飛鷹 周*




*飛鷹 周*



俺が右腕になった翌日。
俺は右腕らしく、本部に赴いていた。

というか、ボスに呼び出された。
ちょうどいいや、俺も聞きたいことあったし。


「なー、ボス。なんで大鳳さんを除名したんだよ」


銀色の髪を一つに結い、白いスーツを着ているボス。

仕事人間なのか、机上には何台ものパソコンが置かれている。今もキーボードを打っていて、俺を見ないまま返事をする。


「今まで咲人は、ビトラ組が拠り所だった。でも今は違うだろう?ようは〝巣立った〟んだよ」

「解せねぇなぁ。大鳳さんはビトラに必要じゃねーか」

「でも咲人は僕の意志を理解してくれたよ。何も言わなくても、あの子は分かってくれる。現に反論しなかったろう?

それに僕は、いずれお前も追放する気でいるよ」

「なんで?」

「幸せでいてほしいからかな」

「……」


カタカタと。規則的な音が部屋に響く中、俺の心臓だけは妙な足取りで弾んでいた。さっきのボスの言葉がくすぐったいというか、気持ち悪ぃというか。

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