おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
新しい愛のカタチ


警察署で色々な事情を聞かれて数日。
私と咲人さんは、マンションの一室に来ていた。


「お、おひ、お久しぶりです、咲人さんッ」

「ミミも元気そうで良かった。ひどい事されてない?」

(咲人さんが、私を労わってくれるなんて……!)


久しぶりの咲人さんに、感動の渦が広がる。実は警察署に到着した時から、咲人さんとは会えずじまいだった。

「一目だけでも」とか「一瞬でいいので」とか、何を言ってもダメ。しまいには「咲人さんの髪の毛一本でいいからください」って言ったら、ドン引きされた。

紫吹に狙われていることを考慮して、私の近くに咲人さんがいるはず――って終始キョロキョロしていたけど、会えなかった。警察の徹底ぶり、恐ろしや……。

もしや、このまま一生会えない⁉なんて思っていたけど、どっこい。私と咲人さんは、いま同じ部屋にいる。

前の咲人さんの部屋ほど広くないけど、新築でキレイだ。ゴキブリは……いないと信じている。


「ん?もしかして私たちがココにいるのって……」


すると前に立つ小野寺さんが、渋々ながら頷いた。

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