おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
「なんですか?まほろさんのご両親には、警察から説明済みです。ご両親は〝娘をよろしくお願いします〟と言われて、」
「そうじゃなくて」
背中に力を入れ、上体を起こす。
両親とは私も連絡を取っているから、家族の心配はしていない。私が言いたいのは――
「あの日、咲人さんを侮辱したことを謝ってください」
『大鳳咲人を捕まえるためなら、多少の発砲は許される。死なない程度に弱らせろ。そして確実に捕らえるんだ』
「あなた、咲人さんにヒドイことを言ったんです。それはいくら警察でも、していい事ではありません」
「……」
「ミミ、いいから」
「よくありません」
私の大事にしている人を大事にしてくれないのなら、小野寺さんをはじめとする警察を信用することは出来ない――そう伝えると、小野寺さんの鼻筋がピクリと動いた。
「……本当は謝りたくありません。が、職業病みたいなもので……悪を許せないんです。それが例え、自分であっても」