おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
お互い座り込み、向かい合って膝を合わせる。咲人さんの体育座りポーズ……なんて貴重なワンシーン。
手を合わせて拝みかけた私の前で、またもや「ごめん」の声。
「飛鷹とミミが関係を持ったのは、全部俺のせいなのに……ヤキモチやいた。自分で仕向けたことなのに。怒る権利があるのは、ミミの方なのに」
(しょんぼりモード……?)
眉が下がっている。どうやら本当に落ち込んでいるらしい。
再び一緒に暮らし始めた時――飛鷹さんがした昔話を、改めて、咲人さんの口から全て聞いた。
それに関して、何度も何度も謝ってくれた。「ごめん」って、今にも消えそうな声で謝るものだから、見ていて胸がしめつけられた。
理不尽な命令を出されて、咲人さんは自分を追い詰めた。でも、その中でも私の幸せを一番に考えてくれた――それだけで、もう私は許している。そもそも怒っていない。……いや、咲人さんが自分の命を軽んじたあたりは、かなり怒ったけど。
「私と飛鷹さんが関係を持ったって……でも、キスだけですよ?」
「でも〝果てた〟って飛鷹が、」
「ん゛ん゛……!」