おりの中、狂った愛を、むさぼり合う


「んん……ッ」

「ふっ、ほんと。どうしようもなく可愛いんだから」


頭を撫でながら、大きな口で私を食べる咲人さん。彼のスピードについていけるよう必死になっていると、二人の口に僅かな隙間ができる。二人の息遣いの合間から聞こえたのは――


「まほろ、大好き」

「!」


それは天にも昇る言葉で、体の内側から熱がこみあげてきて――感動で涙した私に、また咲人さんが笑った。


(あぁ、とんでもない幸せだ)


キスをして、キスをし返して。たまにちょっと大胆に手を動かしたりして。そうして、二人の夜は更けていく。


それは嬉しくもあり、恥ずかしくもあり――

長く熱く、幸せな夜だった。



SS【 𝙚𝙣𝙙 . 】



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