おりの中、狂った愛を、むさぼり合う


「明日の朝までご飯ないですよ?」

「メソメソパン食うくらいなら、空腹の方がマシ」

「メソメソパンじゃなくて、メロンパンです」

「知ってまーす。嫌味でーす」

(むぅ……)


私はと言うと。お風呂の時から現在進行形で泣いてるからか、体力も気力も減ってお腹ペコペコ。

でも食材のストックがメロンパンしかなかったから、それを一心不乱に食べている。

貴重な貴重なメロンパン。
だというのに、この人ときたら。


『どっちが囚われてるか。
この体に教えてやるよ』


あんなことを言っておいて……。
結局、何もせずお風呂を出て、現在に至る。


(てっきり、おそ、おそわれる……のかと)


だって、そんな雰囲気だったし。
何されても分からない状況だったし。

だけど、あの時。

飛鷹さんは「やーめた」って。
そんな一言で、簡単に私を手放した。

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