おりの中、狂った愛を、むさぼり合う


『……私、逃げていいんですか?』

『さっき言ったろ?〝泣く女に興奮しねぇ〟って。本当に食われてーなら、お望み通り抱くけど?』

『に、逃げます……!』


急いで拘束具を抜け、お風呂場を脱出。まさか無事に出られると思わなかったから……リビングに戻った瞬間、安心して大号泣。


『び、ビックリした〜……っ』


それから今に至るまで涙は引っ込まず――そんな私に、とうとう飛鷹さんは愛想をつかした、というわけだ。


「ってか、俺の顔についた血って取れてんの?誰かさんが雑に洗ってくれたからなー」

「し、失礼な。取れてますよ!」


咲人さんもだけど、血をつけて帰ってくるのやめてほしい。スゴくビックリするんだもん。


「……飛鷹さんは、人を殺したりするんですか?」


不意に浮かんだ疑問。不安げに口にすれば、飛鷹さんはゆっくり口角を上げる。


「さぁ。どーかな?」

「……っ」

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