おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
細められた瞳に写る私が、わずかに動揺する。この雰囲気は、いつも咲人さんから感じてる物と一緒。他を寄せ付けない、圧倒的なオーラ。
ということは、やっぱり。この人も一般人じゃないんだ。そうだろうとは思っていたけど、いざ確信すると更に身構えちゃう。
「つーか、俺の返り血なんて可愛いもんだろ。さっきアイツの服を見たか?見てらんねーくらい血がベットリ!サツに見つかってたら一発アウトだったぞ、運のいーやつ」
「え……」
咲人さんの服にも、血?
そんなものなかったような……あ。
そう言えば咲人さん、この蒸し暑い季節に、部屋の中でコート着てた!なんでコート?って思ったけど、その後すぐ上半身裸になったし。
「……アンタさ」
記憶を手繰り寄せていると、ベッドに転がったままの飛鷹さんがポツリと疑問を口にする。