おりの中、狂った愛を、むさぼり合う

一人有頂天になった私を見て、飛鷹さんはドン引きした。だけど咲人さんの情報を出されて、私が喜ばないワケがない。


「飛鷹さん〝気持ち悪〟って言うくらいなら、私が喜びそうなコト言わないでください」

「あ?」

「私の小言が咲人さんに効いてる……なんて。不意打ちですよ。例え自意識過剰でも、喜ぶに決まってるじゃないですか!見てください、秒で涙が引っ込みました」


得意げに鼻をのばす私の方をチラリとも見ず、飛鷹さんは「あっそ」と淡白な返事。


「ま、涙が引っ込んだならいんじゃね?」

「へ?」

「アンタが喜びそうなことをわざわざ言ったのは、さっき泣かせた詫びだし。つーか、いつまでもメソメソされたらめんどーだし」

「つまり……」


励ましてくれたってこと?
慰めてくれたってこと?
あの飛鷹さんが?

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