おりの中、狂った愛を、むさぼり合う
し、信じられない。だって私は〝飛鷹さんが逃げないように見張る監視役〟だよ?そんな私に優しくして、どうするの?
呆気に取られ、飛鷹さんを見つめる。すると視線を感じたのか。飛鷹さんも頭を少し動かして、私を見つめ返した。
「っぷ、驚きすぎだって。ミミちゃん」
「え」
「レアショット~」と盛大に吹き出された。けど、その顔さえも新鮮で視線を逸らせない。
「可愛い顔が台無しのアホ面だなー。あ~腹いてぇ」
「そ、そんなに笑わなくても……」
ヒヒと笑った彼の顔に、さっきまでの畏怖の念を感じない。むしろあどけなさすぎて、学生にさえ見える。ひょっとして、雰囲気の割に童顔なのかな?
「おいおーい、なに気ぃ抜いてんの」
「え……抜けてました?」
「ちょ―抜けてた。俺は、アンタを狙ってる狼だぞ?俺に心ゆるしてっと、すぐ食べちまうからな」
「も、もっとマシな言い方できないんですか?」
「だってマジだもーん」
(〝だもーん〟って……ふふ)
大人なのに、まるで小学生みたいな話し方。気が抜けるし、何より聞いていて面白い。成人しているのがウソみたい。