おりの中、狂った愛を、むさぼり合う

今度こそ、意を決して口を開いた。

その時だった。

いきなり飛鷹さんが「じゅー、きゅー、はーち」とカウントダウンを数える。え、なになに?


「ゼロになった瞬間、ミミちゃんの服を剥いで襲うから」

「ひぃ……⁉」

「嫌ならとっとっと出て行きな―。なーな、ろーく、」

「お、おやすみなさい!」


パタン、と。結局、質問する事が出来ないまま、部屋を後にしてしまった。きっと、これも飛鷹さんの策略なんだろうな。

でも、あのまま中にいたら確実に襲われそうだし。また明日きこう。絶対に本音を吐いてもらうんだから!


「っていうか、あっつい……」


廊下には、ムワッと熱気が立ち込めている。早く寝室に行こう、と思ったけど……。あの飛鷹さんを放って、寝室でゆっくりしていいのかな。

だって自由に拘束具を外せるんだよ?部屋を出るだけならまだしも、玄関から外へ逃げたって不思議じゃない。その時、寝室で爆睡してたら気付かないもんね。

飛鷹さんが逃げる=咲人さんからの命に背いたことになる。

それだけは、絶対にダメ。


「仕方ない。廊下で寝よう……」

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