おりの中、狂った愛を、むさぼり合う


(ここからはお説教だろうなぁ……)


勝手にキスをしたこと。
勝手にキスを長引かせたこと。

かつてない身勝手さに、今さらながら怖くなってきた。一度は憧れたことがあるものの、「私からキスする」なんて、本来ならあってはならない大胆さ。咲人さん相手にこの行動は、きっと万死に値する。

ひぇ……。
なんてことしてしちゃったの、過去の私!


(キスしたことに後悔はない、ないけどさぁ!もし〝出て行け〟なんて言われたら立ち直れない!)


頭の中は、またしてもパニックパニック。

だけど、いつまで経っても咲人さんからのお叱りはない。ただの静寂が、窓から入る月明かりと共に私たちを包んでいる。


(咲人さん……?)


不思議に思っていると、少しだけ脱力した咲人さんが私の頬をつかむ。

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