おりの中、狂った愛を、むさぼり合う

胸キュンに悶絶していると、咲人さんは玄関に戻って靴を履き直した。もしかして、また出て行くのかな?

ぞの通りだったようで、咲人さんは「これを置きに来ただけだったのに」と恨めしそうに私を見た。

え、なにその顔……かわいい!

キスするつもりなかったのに、私のせいでしちゃったじゃん、って事⁉


(はぁああ、もう無理。咲人さんが沼すぎる……!死ぬまで一生、推していきます!)


ずぶずぶ溶け始めた私をしり目に、咲人さんは大きなビニール袋を床へ置いた。袋の口からチラリと見えたのは、総菜とかレトルトとか。いわゆるご飯系。


「家に何もなかった事を思い出して、適当に買って来た。ネコが飢え死にするのは気分が悪いし」

「それで、わざわざ……?」

「俺はミミの飼い主だからね」

「!」


割と破壊力ある言葉を、クールに言ってしまう咲人さん。

……ダメ、だめだめ。
もう限界、もう致死量。
胸キュンの連続に、心臓がもたない。


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