オレンジの空は今も
コーヒーとミルクティが空になる頃、宏人がふとつぶやいた。


「こういう毎日がずっと続くといいな」


「・・・うん」


宏人の肩に頭を預け、小さくうなずく。


「そしていつか・・・、結婚できると、いいな」


「―――うん」


イチョウの葉がひらひらとあたしの膝の上に舞い落ちる。

それをつまみ、空にかざす。

傾いて大きくなった太陽に照らされるその葉のシルエットは、ハートの形をしていた。





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