オレンジの空は今も
しばらくその様子を観察してから、急いできたフリをして「おまたせ」と駆け寄った。


あたしの声に「よっ」とくずれる笑顔が冬に咲いたひまわりみたいだ。


可愛い・・・なんて思ってしまう。


この下がる目じりが大好きだ。

初めて会った観覧車の中で見たときからずっと。


「寒くない?」


待たせちゃったのに、あたしの事を気づかってくれる。

意地悪しちゃって悪かったな・・・少し反省する。

「ごめんね」

「へ?」

「あ。その、待たせちゃって」

「いつものことじゃん」

「ぶーー」

逆に意地悪された。





< 109 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop