オレンジの空は今も
少し照れて、でも満足そうな目の前の人が、

……切ないくらい、大好きだ。


このまま宏人に溶けちゃいたい・・・恥ずかしいけどそう思った。


離れたくなくて、ずっとこのままでいたくて。

その胸に顔を深くうずめて。


――宏人の体温を感じていた。



大好きだ。

苦しいほど。


この気持ち、宏人は分かるだろうか。


そして宏人も、

あたしに対してこんな気持ちを抱えてくれてるだろうか。


あたしみたいに、

こぼれそうにいっぱいの、大好きを。



離さないでほしい。


ずっとこのまま。


それだけでいい。



夕刻を迎え、辺りを包む空気に冷たさが増してきても、

この場所だけはとても暖かかった。



抱きしめられた宏人の肩ごしに広がるブルーブラックの空に、

二つ並んだ星が浮かんでいた。





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