オレンジの空は今も
「由希… 由希! あたしよ、加奈。分かる!?」
どうしてそんなに驚いているの?
聞きたいのに声が出ない。
口から何かが身体に差し込まれていることに、その時ようやく気づいた。
――コク・・・・とやっとの思いで顎を下げうなづく。
加奈の瞳にみるみるうちに涙が溢れ、あたしの頬にその雫がこぼれ落ちた。
「よかった・・・・由希・・・よかった・・・」
加奈の重みがあたしの上に覆いかぶさる。