オレンジの空は今も
女は敏感だ。

日々、ものすごいスピードで入れ替えされる情報をいち早くキャッチして、

それを交換し合い、やがてしっかりと自分のものにする技は、男子よりも数倍長けている。


半数が男子で埋められた教室にいる女子よりも、

全員が同じ性という環境に身をおいている彼女たちのほうが、情報の引き出しも必然的に多くなるのかもしれない。

情報の飛び交う教室でいっぱいになった引き出しを持って放課後の街へ繰りだし、その中をあさって、その場にしっくりくる道具を取り出して遊ぶ。

今でこそ対等に付き合えるようになったものの、

詩織と百合子と知り合った当時は、ふたりの周りだけピンク色のオーラが強く立ちのぼっているように見えたものだ。

今じゃすっかりふたりに鍛えられたあたしと加奈もその空気に馴染み、どこから見ても女子大生というものをやっている。

慣れって恐ろしい。





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