オレンジの空は今も
「宏人っ! 宏人ーーーーっ!!」
何度も名前を呼んだ。狂いそうだった。
「助けて・・・誰か・・・・・・・」
救ってほしかった。
ここから、
出口の見えないこの暗闇から、
救い出してほしかった。
死にたいんじゃない。
ただ、この気持ちから、
この現実から、
救ってほしかっただけなんだ。
宏人のいない世界なんて辛すぎて。
一人で生きていくにはあまりにも重過ぎて。
あたしはただ、
逃げ出したかっただけなんだ――