オレンジの空は今も
ただ呆然と空を見上げていた。
辺りはシン・・・と静まり、自分の心音だけが鳴り響いている。
―――ふと、右隣りに微かなぬくもりを感じた。
ポツンとのった、缶コーヒー。
右肩が、
頬が、
……温かい。
冷めた缶を手にとった。
青いラベルに、空から降りる一本の光がきらりと反射する。
その光が熱を帯び、あたしの手を柔らかく包み込む。
やがてゆっくりと…
腕、膝、胸、足元、肩……と放射状に広がった光は、身体全体を包み込み、
あたしを取り巻く全てのものをも飲み込むように強く輝いた。
刺すようなまぶしさに耐え切れなくなったあたしは…
ぎゅっと、目を閉じた―――