オレンジの空は今も
(何だったの・・・? 今の・・・?)
缶をきつく握り締めたままの手元を見る。
「・・・・・・え・・・?」
膝の上には、白いままの便箋が幾枚も積み重なっていた。
「・・・・・・どうして・・・」
あたしは・・・手紙を書いていたはずだった。
そしてその手紙は・・・・・・風と共に空へ消えていったはずだった。
―――――夢・・・・?
あたしは・・・夢を見ていたのだろうか。
穏やかな午後の光に包まれて・・・今まで。
夢のなかで・・・宏人への手紙を書いていたのだろうか・・・・・・