オレンジの空は今も
3/4まで進んだころ、窓の外を見ていた宏人がゆっくりと口を開いた。


「あのさ――」

「ん?」


「なんていうか、その――」

「うん?」


「由希ちゃんのこと――、好きになっちゃったみたいなんだけど」

「―――え?」


「会った初日でこんなこと言うのも可笑しいかもしれないけど」

「うん」


「その……よかったら」

「…うん」


「つきあってもらえないかな、これからもいろいろと」

「……うん」


「友達としてじゃなくて、その、なんだ、恋…恋人同士、として」


ぽりぽりせわしなく頭をかきながら、

長い足をそわそわと揺らす宏人の顔が夕日に負けないくらい真っ赤に染まっている。





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