オレンジの空は今も
告白に慣れていなそうなその様子と困ったような表情を見ていたら、不意に可笑しさが込み上げてきた。


「あはは。何か不思議」


急に笑いだしたあたしの瞳に、キョトンとした宏人が映る。


「あたしもね、宏人くんのことが好きだなって思ってた」

「へ?」

「入場口で会ったときに、もう好きだなって思ってた」




窓の外を見る。

もうすぐ地上だ。





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