オレンジの空は今も
ファースト・キス
「やっぱり由希のタイプだったかぁ。んでもその日に付き合うことになっちゃうなんて信じらんない。運命だったりしてね」
次の日、早速加奈にひやかされた。
「タイプっていうか…別にそんなの無いんだけど…」
「でも宏人かぁ。どの辺が気に入ったの?」
からかうように加奈が笑う。
「何よそれー」
「だってさぁ、観覧車からずっと手、つないでるんだもん。びっくりしちゃった」
「あれは、その…」
「ま、いいじゃない、由希が幸せなら。宏人はホントにいいヤツよ。安心して」
「安心って」
あははっと加奈が笑う。
詮索しない。
そこが加奈だ。