オレンジの空は今も
「ちょっと由希ぃ、見せ付けないでくれる? あたしの話ぜんぜん聞いてないんだからぁ」

「ごめんごめん」


恋というものは、ある日突然訪れる。

いきなり自分のなかに誰かが入ってきて、頭の中がその人でいっぱいになってしまう。

そして。

単純な毎日が急に色を変え始める。

授業中も昼休みも、テレビを見ていてもベッドに入っても、

今日のその人と、明日また会うその人を繰り返し頭に思い描いては、ため息が漏れる。


口のなかでとろけるキャラメルみたいに、甘く身体のなかに絡みついて離れない。

でも全然うっとうしくない。

むしろその甘ったるさが、心地よく感じるんだから不思議。






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