オレンジの空は今も
「恋人選びみたいにもうちょっと慎重になれればねぇ」


やれやれと苦笑しながら散乱した苺ポッキーを1本つまみ、窓の外へ向き直った。


遠くのビルにカラダを沈め始めた太陽が部員たちを照らして長い影を作る。

その影が部員たちの動きに合わせ、大きくなったり小さくなったりを繰り返している。


「早く終わらないかな」


もう一本苺ポッキーをつまむ。


早く宏人と話したい。

手をつないで帰りたい。

毎日顔を合わせてるのに、好きな人の隣りに常にいたい。





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