オレンジの空は今も
「あの、赤い人?」
「そうそう。何してるのかしら」
加奈が首をかしげる。
「あれ…? 誰かと一緒じゃない?」
まだ水着を膝の上にのせたままの詩織がその姿を捉えた。
あたしも、歩道の人ごみのわずかな隙間にその姿を探しだすと、一瞬息を呑んだ。
「腕・・・組んでるよね」
「組んでるね」
「誰? あの女」
「分かんない・・・」
人ごみと距離で、その顔までは窺えなかったが、跳びはねるような女の子の様子と水色のワンピースが見えた。
やがてしばらくすると、ふたりの姿は人ごみに紛れて見えなくなった。
「そうそう。何してるのかしら」
加奈が首をかしげる。
「あれ…? 誰かと一緒じゃない?」
まだ水着を膝の上にのせたままの詩織がその姿を捉えた。
あたしも、歩道の人ごみのわずかな隙間にその姿を探しだすと、一瞬息を呑んだ。
「腕・・・組んでるよね」
「組んでるね」
「誰? あの女」
「分かんない・・・」
人ごみと距離で、その顔までは窺えなかったが、跳びはねるような女の子の様子と水色のワンピースが見えた。
やがてしばらくすると、ふたりの姿は人ごみに紛れて見えなくなった。