オレンジの空は今も
三人とも同じ顔をしてあたしを見ていた。


「由希」

心配そうな加奈。


「もしかして」

と、百合子。


「・・・・・・浮気?」

一呼吸おいて、詩織。


「ちょっと! そんなわけないじゃない、宏人に限って」


加奈が横目であたしを見ながら、詩織をたたく。


「そーだよ。宏人に限って、そんな、浮気・・・なんて」


自分の口から出た「浮気」という言葉の響きにピクリとまぶたが動いた。





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