オレンジの空は今も
「どうしたの? メールでよかったのに」

「いやさ、俺も午後からヒマになっちゃってさ」

「え? なんで? 今日4限目まであったよね?」

「そうなんだけどな。こっちも休講になっちったんだよ」

「ホントに?」

「うん。それで俺も、由希にメールしようかと思ってたとこなんだけどさ。そしたら先に由希からメールが来て」

「すごーい。偶然」

「うん。だからさ、昼飯・・・あ、飯食った?」

「ううん、まだ」

「よかった。じゃあさ、昼飯でもどっかで買って、あの公園にでも行こうか。天気もいいし」

「うんっ! 行く行く!」

「(笑)じゃ、真っ直ぐ公園に行って待ってるから。あそこのコンビニで何か買おうぜ」

「うん! 分かった」


電話が切れる前からあたしはすでに立ち上がり、正門へ向って走り出してた。

喉の奥の苦味も忘れて。

テーブルの上のカップも忘れて。





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