甘×辛MIX

5th step

◯『S.make』専有ラボ


T『インターン2日目』
『ラボ見学』

白衣を来た杏璃と咲也。
ラボで実際にコスメの試作品をつくる様子を見学している。
咲也の表情から相当な興奮が伝わる。



◯大会議室


T『社内プレゼン見学』

各部署の責任者、担当者がそろい、新商品についてのプレゼンを行う。
端の席で杏璃と並んで見学する咲也。手にはメモを持ち、熱心に書き込んでいる。
その様子を優しく見守る杏璃。



◯商業施設・化粧品売り場


T『現場視察・トレンドリサーチ』

実際に商品を卸している店舗に赴く。
美容アドバイザーのスタッフとも和気あいあいと喋る咲也。

買い物客にもにこやかで、アドバイザーとともに熱心にプレゼンをしている。
実際にメイクを施すと、客は大喜びで商品を購入していく。



○『S.make』ミーティングルーム


インターンの打ち合わせをしたのと同じミーティングルームで、向かい合って座る杏璃と咲也。
午前中の業務についてレポートをまとめている。
仲の良い姉弟のようにほのぼのした空間。

咲也「唐沢さん、ちょっと聞いてもいいですか?」

杏璃「(自身もキーボードを叩きながら)なに?」

ノートパソコンに入力をしながら、杏璃に質問する咲也。
杏璃が答えようと身を乗り出したとき、ドアをノックする音が響く。

入室したのは課長の近藤千秋。
にやにや笑いながら杏璃と咲也を見比べる。

千秋「ずいぶん仲良くなったじゃない。妬いちゃうわよ」

冗談めかした口調で言い、杏璃の腕をツンツンとつつく千秋。
咲也は照れたように笑い、杏璃はふっと目をそむける。

杏璃「急ぎの仕事ですか?」

千秋「わざわざ様子を見に来てあげたのに、可愛くないわねー」

ふてくされたような表情をした千秋、すぐにクスクス笑い出す。

千秋「あなたたち、今ちょっと社内で有名よ。見た目も中身も正反対の凸凹コンビって」

杏璃「なんですか、それ」

うんざりした顔で嘆息をつく杏璃。
咲也は反対に嬉しそうに目を輝かせる。

咲也「僕と唐沢さんがコンビだなんて、恐れ多いです」

千秋「(にっこり笑う)うんうん、天野くんは素直でよろしい!」
「(ちらっと杏璃を横目で見る)一方、唐沢は」

ノートパソコンを閉じ、立ち上がる杏璃。

杏璃「ランチ行ってきまーす」

咲也「あっ、待ってください、唐沢さん!」
「(急いでパソコンをしまう)僕も一緒に行きますー!」

ミーティングルームを出ていく杏璃、あとを追いかける咲也。
見送る千秋の目線では、咲也が飼い主を追いかける忠犬のように映っていた。
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