【短編】ハナビラコイ
私は必死に袖に目を擦りつけ涙を拭った。
「…な、なんでもないよっ!」
「…沙由……」
「和紀!今日で私達お別れだけど、友達ではいてね!!
寂しいし…
忘れ物とかしたら……か、り っ――」
続けようとする言葉は、最後まで言い切ることが出来なかった。
言葉が…続かない……
予想していた何倍も、何十倍も“別れ”って悲しいよ…
最後は笑って終わろうって、決めてたのに
後腐れなく、きれいに別れようって…
なんで
なんで
うまくいかないんだろ…っ、……
結局は、1番最悪な終わりを迎えようとしてる
最後まで言葉を言えないまま、笑顔じゃなくて、泣き顔で終わりを迎えようとしてる
やだ、やだよ…!!
頭で考えてることとは正反対に、目からは涙が溢れだすばかり。