【短編】ハナビラコイ
それから私達が別れたことは、あっという間に噂となった。
誰が流したのかなんて、考えるのもバカらしい
噂なんて風といっしょ
そんなもん
日が過ぎるにつれ、私へのイジメはなくなった。
もう、机にラクガキされることも、物を隠されることも、ゴミ扱いされることだってない。
嬉しはずなのに…
私はその代わりに、和紀を失った
心に穴が空いたみたい
まだ和紀を忘れられない自分に、呆れてしまう…
イジメがなくなって楽になったはずなのに、隣に和紀がいないことがこんなにも苦しい…
和紀…